世界の三大貴腐ワインの一つ、トロッケンベーレンアウスレーゼ [貴腐ワイン]
三大貴腐ワインの中では、価格が最もリーズナブルになる、ドイツで造られた、
トロッケンベーレンアウスレーゼ。
以前にも書いたのですが、この暑い季節には、こういう、甘い貴腐ワインを、ロックで
飲むのも、本来のワインの楽しみ方としては邪道かもしれませんが、美味しく感じるものです。
まぁ、ワインというと、格式のあるもので、お堅いイメージがあるものでもありますが、
それゆえ、プレゼントしたり、お祝い事ではスパークリングワインが使われたりと、
贈答にも、便利なイメージがありますね。
しかし、造った人のことを考えるなら、やはりおいしく飲んでもらいたい、という気持ち
から造ってると思われるので、飲む人が一番楽しめるのなら、それで良いのではないでしょうか?
こちらのトロッケンベーレンアウスレーゼは、価格は、3千円前後。
高級ワインといわれる貴腐ワインで、しかも世界の三大貴腐ワインと名の知られているものと
しては、非常に安価、とも言えます。
実際は、ワインの価格は、あってないような物で、希少性が上がる程、うなぎ登りになるもの
ですからね。
三大ワインのほかの価格としては、フルボトル750mlを基準とすると、比較で見てみると、
とんでもない価格です。
フランスのソーテルヌのシャトー・ディケムが、約4万円。
ハンガリーのトカイのエッセンシアが、約5千円。
エッセンシアに関しては、ワインの価格で見ればそこまで高価ではないのかもしれませんが、
それでも、5千円は、自分には、ぽんと出せる価格ではありません。
さて、国も名前も違うこの3大貴腐ワインですが、同じようなものなのでしょうか?
貴腐ワインとしてのメカニズムは勿論同じなのですが、産地の違いは、
酸とアルコール度数の違いを産みます。
ドイツは涼しい気候なので、フランスのソーテルヌから比べると、ぶどうが熟成するのに、
より長い時間がかかります。
長い時間がかかるという事は、リンゴ酸が減少しないで、その多くがのこります。
それに加えて、ドイツではアルコール度数を上げずに途中の6~9度ほどで止めるので、
酸の影響もあり、ソーテルヌに比べると、非常に繊細さを感じます。
ソーテルヌに関しては、酵母の限度いっぱいまで発酵させてアルコール度数を高くし、
新樽を使って発酵、熟成をするので、樽からでるポリフェノール類の渋みや、
ロースト香、バニラ香が加わって、ボリューム感が出ます。
この点かドイツのトロッケンと、フランスのソーテルヌの違いです。
では、ハンガリーのトカイの特徴は、というと。
長期の木樽熟成を行い、ワインを長く酸化熟成させる点にあります。
トカイの最高峰といわれたトカイ・アスーエッセンシアは、1994年からは法律で、
木樽の最低熟成期間が5年になりましたが、それ以前は、何と!最低10年という
期間が決められていました。
長期熟成をさせると、かすかに紹興酒のような香りが混じります。
どの国でも、ワインに関しての法律を作ったり、厳しい基準を決めたりしていて、
ワインに関しては、国も動く、と考えると、単なるお酒 として済ますのは、
勿体無いような気もしますね。
やはり、甘いワインとしては、数が多くある、ドイツ産のものがおすすめに感じます。